かつて赤字だったミスドがV字回復した理由とは?売り方ひとつで経営は劇的に変わる

「ミスタードーナツって、昔より最近また元気になってる気がするな…」

そう感じている方も多いのではないでしょうか?

実際、運営会社であるダスキンが発表した2023年3月期の決算では、ミスタードーナツの売上は前年比11%増、営業利益は51%増と、非常に好調な結果を出しています。

しかし、そんなミスドも一時は営業利益が赤字に転落し、「このまま沈んでしまうのでは…?」と心配された時期がありました。

今回は、ミスドがなぜ復活できたのか? そしてそこから、店舗経営者が学ぶべき販売戦略の本質をお伝えします。


■ ミスドが赤字に転落した理由

2000年代までは順調に成長していたミスドですが、転機は2010年代。2015年には営業利益が赤字に転落します。

主な要因は、「100円セール」の常態化でした。

✅ ドーナツ全品100円(一部120円)のセールを繰り返すことで、「安売りの時だけ来る客層」が定着
通常時は客足が減り、利益が取れず、固定費が圧迫
セール時は人件費も仕込みも増え、利益率が低下

つまり、価格で集めた顧客は価格に敏感で、リピートにもつながらないという典型的な例です。


■ 転機は「安売りをやめたこと」だった

2016年、ミスドはついに100円セールを廃止。
その後、売上は一時的に落ちたものの、利益は大幅に改善。
代わりに採った戦略は、

  • ブランドや有名店とのコラボドーナツ
  • 少し高価格でも満足度の高いプレミアムラインの導入
  • 限定商品による話題づくり

など、安さではなく、価値で選ばれる店へと舵を切ったのです。


■ とはいえ、「安売り」も有効なケースはある

ここで誤解してほしくないのは、「安売り=悪」というわけではないということ。
戦略的に使えば、安売りは非常に強力な武器になります。

✅ 安売りが効果を発揮する3つのシーン

  1. 初回体験のハードルを下げたいとき
     → 例:新メニュー導入時の“お試し価格”や、“初回限定割引”
  2. 在庫やリソースが過剰なとき
     → 例:賞味期限が迫っている、予約の空き時間が多いなど、空き資源を活用するセール
  3. 集客の起点を作りたいとき(フロントエンド戦略)
     → 安い商品で客を呼び込み、店内での体験や高単価商品につなげる導線を作る

■ 「安売り」と「高単価」の併用戦略:ミックスプライシングの考え方

むしろ理想は、安売りと高単価をうまく組み合わせること
以下のような組み立てが有効です。

📌 戦略①:フロントエンド & バックエンド戦略

  • 【フロントエンド】→ 集客用の安価な商品(例:限定ドーナツ100円、初回体験メニューなど)
  • 【バックエンド】→ 本命の高単価商品(例:セットメニュー、プレミアムケア、リピート商品)

目的:集客しつつ、リピートや追加購入で利益を確保


📌 戦略②:限定価格 or 条件付き割引

  • 「●●円以上の購入で対象商品が100円」
  • 「LINE登録で今だけ50%OFF」
  • 「月1回だけの“感謝DAY”開催」など

→ 安売りを“ご褒美”や“イベント化”することで、常態化を防ぎつつ、来店動機を作る


📌 戦略③:価格を落とさず“価値を足す”

  • 通常価格のまま「期間限定でドリンク無料」や「1点追加」などの付加価値提供型サービス

→ 安く見せずに“お得感”を出す方法は、価格を守りながら顧客満足を高められる


■ 最後に:売り方を変えれば、店の未来も変えられる

ミスドの成功事例が教えてくれるのは、

「売り方次第で、集まる客も、利益構造も変えられる」ということ。

あなたの店舗も、ただ値下げするのではなく、

  • どう集めるか
  • どうリピートさせるか
  • どこで利益を確保するか

を意識した設計が必要です。


✅まとめ

✔ 安売りは「短期の武器」として有効だが、常態化は危険
✔ 高単価商品と組み合わせる「設計」が重要
✔ あなたの売り方が、あなたの顧客をつくっている


あなたの店舗でも、売り方ひとつでV字回復のきっかけを作ることができます。
ぜひ、目先の売上だけでなく、“理想の客層と長期的な利益”を見据えた販売戦略を。

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