【美容サロン様向け】今さら聞けないヘナの基本と、注目ブランド「ジャパンヘナ」「和漢彩染」徹底比較

近年、お客様のナチュラル志向や髪・頭皮へのいたわりを重視する傾向が高まり、ヘナやハーブカラーへの関心が再び高まっています。一方で、「ヘナはオレンジになるだけ?」「ジアミンフリーって本当?」「新しいヘナ関連製品って何が違うの?」といった疑問をお持ちのサロン様もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、そんな「今さら聞けない」ヘナの基本的な知識から、注目のブランド「ジャパンヘナ」と「和漢彩染」の特徴、使い方、そして両者の違いまでを分かりやすく解説します。お客様への提案の幅を広げ、サロンの価値を高めるための一助となれば幸いです。
※ブログの内容を音声でもお聞き頂けます。
第1章:ヘナの基本の「き」~改めておさらいしたいヘナの正体~
まずは、ヘナそのものについて基本をおさらいしましょう。
1. ヘナとは?
- 植物: ヘナは、主にインドや北アフリカなどの熱帯地方に自生するミソハギ科の植物「Lawsonia inermis(ローソニア・イナーミス)」の葉を乾燥させ、粉末にしたものです。
- 色素成分: ヘナの葉に含まれる「ローソン(lawsone)」という赤色~オレンジ色の色素成分が、髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)に絡みつくように結合することで髪が染まります。
- 基本的な染まる色: 天然100%のヘナで染まる色は、基本的にオレンジ系です。白髪は鮮やかなオレンジ色に、黒髪にはほんのり赤みが加わるような染め上がりになります。
2. ヘナのメリット
- 髪と頭皮への優しさ: 天然の植物染料であるため、化学染料に比べて髪や頭皮への負担が少ないのが最大の特長です。
- トリートメント効果: ローソンが髪のタンパク質と結合する際にキューティクルを引き締め、髪にハリ・コシ・ツヤを与えます。また、頭皮の余分な皮脂や汚れを吸着し、健やかな状態に保つ効果も期待できます。
- ダメージ毛へのアプローチ: 繰り返しのカラーやパーマで傷んだ髪にも、優しく働きかけながら染めることができます。
3. ヘナのデメリット・注意点
- 色の限界: ヘナ単体ではオレンジ色にしか染まらず、髪を明るくする(脱色する)効果はありません。
- 色のコントロール: 発色は髪質や元の髪色、ヘナの品質、放置時間などに左右されるため、均一で狙い通りの色を出すには経験と知識が必要です。
- 植物アレルギー: 天然成分であっても、まれに植物アレルギー反応を起こす方がいます。必ず事前のパッチテストが必要です。
- 染めた後のきしみ感: ヘナの収斂作用により、一時的に髪がきしむことがありますが、数日で落ち着いたり、オイルやトリートメントでケアすることで改善されます。
- 施術時間: 色素をしっかり定着させるために、ある程度の放置時間が必要です。
- パーマやアルカリカラーへの影響: ヘナで染めた髪は、パーマがかかりにくくなったり、アルカリカラーの色が入りにくくなる場合があります。
4. ヘナでブラウンを出すには?
ヘナ単体ではオレンジ色ですが、他のハーブとブレンドすることで色のバリエーションを広げることができます。代表的なのが**「インディゴ(ナンバンアイ葉)」**です。
- インディゴ: 藍色の色素を持つ植物で、ヘナのオレンジと混ざることでブラウン系の色調を作り出します。
- 配合比率で調整: ヘナとインディゴの配合比率を変えることで、ライトブラウンからダークブラウン、ブラックに近い色まで表現可能です。
- 2度染め: より深く濃いブラウンを求める場合、まずヘナで染めた後にインディゴで再度染める「2度染め」というテクニックも用いられます。
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第2章:進化するヘナ関連製品~「ジャパンヘナ」と「和漢彩染」を知る~
ヘナの基本を踏まえつつ、サロン様のニーズに応えるために開発された代表的なブランド「ジャパンヘナ」と「和漢彩染」について、その特徴と使い方、違いを見ていきましょう。
1. ジャパンヘナ
1987年創業の老舗ブランドで、日本におけるヘナの普及に貢献してきました。天然素材へのこだわりと品質の高さが特徴です。
- 特徴:
- 高品質な天然ヘナ: インドの契約農家で栽培された良質なヘナを使用し、不純物の少ないパウダーを提供しています。
- 100%天然ヘナ製品のラインナップ: ヘナ本来の力を活かした製品が中心です。「ナチュラルヘナ」のほか、インディゴやアムラなどをブレンドし、様々なブラウン系を実現する製品(ティーブラウン、コーヒーブラウンなど)があります。
- HC染料配合製品の選択肢: より幅広い色表現や、ヘナだけでは染まりにくい方のために、化粧品にも使用されるHC染料を微量に配合した製品(例:ピンクベリー、ゴールドブラウンなど)も展開しています。これらはジアミンフリーです。
- トリートメント効果の追求: 各種ハーブの相乗効果により、高いトリートメント効果と髪へのハリ・コシ・ツヤの付与を目指しています。
- 「えびすハーブ」シリーズ: 厳選されたハーブをブレンドした、トリートメント効果に特化したパウダーなど、ユニークな製品もあります。
- 使い方(主にパウダータイプ):
- パウダーの準備: 髪の長さに応じた量のパウダーをボウルに入れ、40~45℃程度のお湯でマヨネーズ~ケチャップ状のペーストを作ります。
- 塗布: 清潔な髪(ドライまたはウェット)に、根元から毛先まで均一に塗布します。
- 加温・放置: ラップをしてヘアキャップをかぶり、製品や髪質に応じて30分~3時間程度放置します。加温も可能です。
- 洗い流し: ぬるま湯でよくすすぎ、シャンプー、トリートメントで仕上げます。

2. 和漢彩染(グランデックス)
「第4のカラーシステム」をコンセプトに開発された、和漢植物エキス配合のヘアカラー剤です。
- 特徴:
- 和漢植物エキス配合: カンゾウ、セージ、ローズマリーなど十数種類の和漢植物エキスを配合し、髪と頭皮をケアしながら染め上げます。
- 低刺激・低ダメージ処方: アルカリ剤・界面活性剤・過酸化水素を極力使用しない(またはパウダータイプは不使用)ことで、従来のカラー剤特有の刺激臭や頭皮への負担を軽減しています。
- 酸化染料(ジアミン)を使用: 色の安定性、持続性、白髪のカバー力を高めるために、微量のジアミン染料を使用しています。そのため、ジアミンアレルギーの方には使用できません。
- 鮮やかで透明感のある発色: 日本人の髪質に合わせて開発され、多彩なブラウン系はもちろん、アクセントカラーも揃えています。
- トリートメント効果と質感向上: 染めるほどに髪にハリ・コシ・ツヤを与え、なめらかな手触りを実現します。
- トーンアップも可能: 専用の低アルカリ剤(LUCコンクなど)と組み合わせることで、ある程度のトーンアップ(リフトアップ)も可能です。
- 使い方(主にサロン施術):
- カウンセリング・色選定: お客様の髪質、白髪の量、希望色に合わせて薬剤を選定・調合します。
- 薬剤調合: 基本はパウダー(BB4~BB8などのベースカラーやアクセントカラー)をお湯で溶きます。トーンアップする場合は、LUCコンクとオキシを混合し、パウダーを加えるなどの処方があります。
- 塗布: 髪の状態に合わせて新生部と既染部で薬剤を使い分けるなど、専門的な塗布技術が求められます。
- 加温・放置: スチーマーなどで加温し、20~30分程度放置します。
- 乳化・シャンプー・トリートメント: 薬剤を丁寧に乳化後、専用シャンプー・トリートメントで仕上げます。

3. 「ジャパンヘナ」と「和漢彩染」の比較まとめ
特徴項目 | ジャパンヘナ | 和漢彩染 (グランデックス) |
---|---|---|
主成分 | ヘナ、インディゴ、その他ハーブ(製品によりHC染料配合もあり) | 和漢植物エキス、食品ベース成分(小麦粉、コーンスターチ等)、染料(酸化染料:ジアミン微量配合) |
ジアミンの有無 | 基本的にジアミンフリー(HC染料配合製品もジアミンフリー) | 微量配合あり |
色の基本 | オレンジ~ブラウン系(ヘナとインディゴのブレンドが中心)。HC染料配合で色幅拡大。 | 多彩なブラウン系、アクセントカラー。クリアで深みのある色。 |
明るくする力 | 基本的になし(HC染料製品もトーンアップ効果はほぼなし) | 専用リフトアップ剤との併用で可能 |
髪への優しさ | 非常に高い(特に天然100%製品)。頭皮ケア効果も。 | 高い(低刺激処方)。頭皮と髪への負担を軽減。 |
仕上がり感 | ハリ・コシ・ツヤ。自然なボリューム感。 | ハリ・コシ・ツヤ。なめらかで柔らかい質感も。 |
施術時間 | やや長め(天然色素の定着に時間が必要) | 比較的標準的(アルカリカラーよりは長い場合も) |
アレルギー注意 | 植物アレルギー(ヘナ、インディゴ等)。HC染料への感受性。 | ジアミンアレルギー、植物アレルギー。 |
向いている方 | ・とことんナチュラル志向の方<br>・ジアミンを避けたい方<br>・髪本来の力を引き出したい方 | ・白髪をしっかり染めたい方<br>・ある程度の色持ちと色の安定性を求める方<br>・ジアミンアレルギーではない方<br>・髪への負担を極力減らしたい方 |
使い方 | パウダーをお湯で溶くのが基本。セルフも比較的しやすい(製品による)。 | サロンでの専門技術が基本。パウダーをお湯で溶くが、リフトアップ等は複雑。 |
第3章:サロンワークでヘナ関連製品を活かすために
ヘナやハーブ系カラーは、お客様の多様なニーズに応える強力なツールとなり得ます。
- 丁寧なカウンセリング:
- お客様のなりたいイメージ、髪や頭皮の悩み、アレルギーの有無、過去の施術履歴(特にヘナや縮毛矯正)をしっかりヒアリングしましょう。
- 「ヘナ=オレンジ」というイメージをお持ちの方も多いため、インディゴや他のハーブとのブレンドでブラウン系にできること、ブランドによっては多様な色があることを丁寧に説明します。
- メリットだけでなく、デメリット(時間、色の限界、きしみ感の可能性など)も正直に伝えることで信頼関係を築けます。
- パッチテストの重要性を必ず伝え、実施しましょう。
- メニュー提案のヒント:
- ダメージレスカラーコース: 髪への負担を最小限に抑えたい方向け。
- 頭皮ケア&ハリコシUPカラー: ボリュームや頭皮環境が気になる方向け。
- ナチュラル志向の白髪染め: 化学染料を避けたい、自然な仕上がりを好む方向け。
- ヘナとアルカリカラーの使い分け: 根元の白髪はアルカリカラーでしっかり染め、既染部はヘナでトリートメントしながら色味を補給する、といった使い分けも提案できます(ただし、相性や施術順序には注意が必要です)。
- ヘナの施術にヘッドスパやトリートメントを組み合わせることで、リラクゼーション効果や仕上がりの満足度を高めることができます。
まとめ
ヘナおよびヘナ関連製品は、正しく理解し活用することで、サロン様の大きな強みとなります。天然成分の持つ力、そしてそれを現代の技術で進化させた製品の特性を把握し、お客様一人ひとりに最適な提案をしていきましょう。
この記事が、サロン様の日々の業務とお客様へのより良いサービス提供の一助となれば幸いです。常に新しい情報をキャッチアップし、学び続ける姿勢が、これからの美容業界でますます重要になるでしょう。
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